茶杓が
できるまでの流れ

竹は11月から2月までに切る。

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■竹を採る

 竹を切るにはその時期がある。およそ11月の末から2月にかけてである。理由は、竹の成長期には伐採した竹に虫がつきやすいということ、水分を多く含みすぎていることなどが挙げられる。切った竹は日の当たらない場所に半年以上寝かせ、含まれている水分を蒸発させる。ほどよく寝かせた竹は油ぬきをする。業者では炭を使って行うようだが、家庭ではガス台でもかまわない。熱すると油が滲み出てくるので、それを布で丁寧に拭き取る。油ぬきした竹は、数週間天日干しにした後、また数ヶ月から数年寝かす。これで茶杓に使えるような竹ができる。煤竹の場合は、煤落としをする必要がある。これも火で焙ると落としやすい。 

■竹を切る

 この行程では、茶杓用にできあがった竹を切ることになる。茶杓は標準形の18.5センチとする。順樋、逆樋は作者の好みで使えばよいだろう。節を中心として適当な長さに切断する。丸のまま切断した竹は、鉈を使って割っていく。幅は2センチほどでよい。節裏の節もこの際にきれいに落としておく。竹は順樋、逆樋と2本が採れる。

■削る準備をする

 割った竹は、枉げやすく削りやすいように裏全体を平に整形する。その後に水を入れた容器に浸けておく。竹が十分に水を吸った頃、鍋などでよく煮て柔らかくする。竹の種類によって煮る時間は異なる。
柔らかくなった竹を今度はろうそくを使って枉げる。枉げ軸部分を裏表よく焙り、撓め用の道具でゆっくり枉げていく。ほどよく曲がったところで水につけて冷やす。これで曲がりが戻ることはないが、念のために紐などで固定しておく。全体にすこしアーチ型にしたい場合は、この段階で型枠に固定し、乾燥させる。季節にもよるが、5日間もすれば荒枉げの完成である。

■削る

 荒枉げが終わった竹に、削りたい茶杓の姿を鉛筆で描く。この時、きっちりと寸法を図ることをおすすめする。およそ節上から露までは7センチから8.5センチ。おっとりは10センチ前後。櫂先は2センチ前後だろうか。線引きが終われば、削っていくことになる。台を使い、よく研いだ切り出しを使って削る。けっして細いほうから太い方へは削ってはいけない。必ず太い方から細い方へ。茶杓削りの鉄則である。形が完成すればヤスリを使ってきれいに仕上げる。満足できれば切り止めと櫂先に一刀づついれて完成である。
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■共筒をつくる

 共筒は、準備さほどだが茶杓を削るより時間がかかる。丸のままの竹を使うわけだが、上下がある。根っこのほうが蓋側に位置する。もちろん、作者の意図によりその逆もある。共筒の長さは茶杓の長さ、蓋の呑み込みによって変わってくる。通常、長さ約20センチ強くらいだろうか。蓋との合わせ目は胴と垂直になるように切る。またが波をうっていると蓋との合わせ目にすき間ができるのでまっすぐに切る必要がある。切ったあとに粗めのヤスリをかければよい。蓋は正柾目の杉の赤身の部分を使う。筒の正面と木目が平行になるのが常である。さて、こうしたことに考慮し、1辺3.5センチほどの杉の角材を用意する。角材に蓋の頭部と呑み込みの寸法を線引きする。寸法は好みでよい。次に筒となる竹を切る。蓋との合わせ目の部分は少し長めに切り、余分に約0.5~1センチほどの輪切り状のものを作っておく。これが後に呑み込みの径の基準となる。木目の位置に注意し、角材に輪切り状の竹を当て、内径を鉛筆で印をつける。蓋の頭部と呑み込みの接点を鋸で切る。この場合、さきほどの呑み込みの口径までの切れ込みとする。切れ込みを入れたら刃物で口径以外の余分な肉を落としていく。印のところまで落としたら筒に入れてみる。入らなければ、再度、余分を落とす。入れば呑み込み作りは完成である。 
つぎに蓋の頭部だが、ここは真・行・草の作り方によってことなる。いずれにしろ筒の太さに合わせて、ノミまたは刃物でこれも切り落としていく。全体の形ができあがれば、銘を書けばよい。