はじめに荒枉げに、
茶杓の姿を描く

基本のカタチは利休型。

1 必要な道具

■ 切り出しナイフ
■ 胴付鋸(目の細かいピラニア鋸など)
■ ヤスリ(中目・細目)
■ 定規
■ 万力
■ ノギス
■ 削り台

2 作りたい茶杓のかたちを描く

 茶杓作りの準備が終わり、いよいよ削る段階に入るわけだが、きれいに削るためには茶杓の姿を竹片に描いた方がいいだろう。これは削るときにつねに形が想起できるからである。とくに初心者には勧めたい。

■櫂先の長さを決める。

 前述したように全長18センチ前後の標準形の茶杓を削る。櫂先の長さは、標準形でほぼ2センチとなる。まれに1.9~2.2センチのものもある。それは全体の姿をみてその寸法を決めているからだと思われる。今回は標準形ということで、櫂先は2センチとする。枉軸から露にむかって2センチ強のところに印をつける。

■節から切り止めまでの長さを決める。

 つぎに節から切り止めに向かって約10.5センチのあたりに印をつける。印をつけ終わったら不要な部分を鋸で切り落とす。

■ 全体の形を描く。

 つぎに全体の形を鉛筆で描いていく。まず茶杓の中心線をだす。そして、それぞれ下記の寸法を記していく。
切り止め部分 5.5~6ミリ
節部分 6~6.5ミリ
枉軸 9.5~10ミリ
櫂先の中央 10.~10.7ミリ
 印をつけたら定規でこれらの点を結ぶ。もちろん櫂先もフリーハンドで美しい丸形を描いておく。描かれた線は茶杓の形をなしているはずである。

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3 櫂先から切り止めへ削り下げる

 全体の姿を鉛筆で描いたなら、線にそって削り下げていく。基本として太いほうから細いほうへ、つまり枉軸から切り止め、枉軸から露へ向って削ることを守ってもらいたい。
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   (身が側の削り方)

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   (左側の削り方)

4 裏を削る

 ある程度茶杓の形ができたら、今度は裏の削りである。この形も代表的なものとして利休形と石州形のふたつがある。切り止めの断面をみるとわかるが、利休形は舟形で、石州形は直角切りといって長方形になっているはずである。ここでは利休形に削る。

■櫂先裏はゆったりと丸みをつける。

 櫂先の裏は薄すぎず、厚すぎず、適度な厚みを残すようにする。
船底に削る。
櫂先以外は船底に削っていく。この時、中心から左右1~1.5ミリは平らに削る。



■節裏を削る。

節裏の削りは順樋と逆樋では異なる。順樋で節の高い場合は、利休の茶杓にみられるような蟻腰、雉股を削ることができる。

■露先は美しく仕上げる。

 茶杓づくりにはいくつか重要な箇所があるが、露先もそのひとつである。したがって慎重に仕上げていきたい。露先には代表的な形として5パターンがある。いわゆる丸形、剣先形、一文字形、兜巾形、蓮華形である。
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5 磨く

 本来ならすべてナイフ1本で削っていくのだが、慣れないうちは難しいのでサンドペーパーを使う。これも磨きすぎないようにしなくてはいけない。櫂先だけは袱紗がひっかからないように磨くこと。

6 たましいを入れる

 すべての削り、磨き終わっても、これで終わりではない。櫂先裏を八文字に切り込みをいれ、最後に切り止めを決める作業が残っている。これは茶杓にたましいをいれる大切な作業である。これによってはじめて茶杓が完成するのである。切り止めの形もやはりいくつがある。これも露先と同じように、茶杓全体の形と相対であるので、もっともふさわしいものを選ぶ。利休形は裏表両脇の四刀となる。
 以上で「茶杓削りの作業」は終わりである。いかがだろう、美しい姿の茶杓はできただろうか。これも数をこなしてはじめて納得のいく形ができあがるだと思う。はじめて削ってうまくいかなかったといって嘆くことはない。失敗はつぎのステップを上がるための階段だと思えばよい。次に削るときはいちだんと上達しているはずである。難しいところ、分からないところは、茶杓を削りながら、すこしづつ削り落としていくしかないように思える。

■削るときの要注意

細い方から太い方へは削らない。
描いたラインより内へは削らない。